2024月03年06日
ランナーとしてではない名古屋ウィメンズマラソン
スタート前
2万人の女性ランナーが一斉に名古屋の街を駆け抜ける名古屋ウィメンズマラソン。
先日のブログ「名古屋ウィメンズマラソン2016を全力応援」でもご紹介した通り、今回は選手ではなく、ランニングコーチ、そして番組ゲストとして参加させていただきました。
まずは、スタート前に東海テレビ上山真未アナと番組の入りの部分の収録を行いました。上山さんはめちゃくちゃ緊張していました。自分の得意な「喋り」のロケではなく、専門外であるマラソン、しかも初めてのマラソン挑戦をテレビに注目されるのだから緊張は当然でしょう。
でも、私は上山さんがマラソンを完走することに少しも不安がありませんでした。だから「とにかく楽しんで来てくださいね」の言葉だけかけさせてもらいました。
リオデジャネイロオリンピック選考会
名古屋ウィメンズマラソンスタート
朝、9時10分。少しひんやりとしているけど風もなく、走るのには絶好のコンディションの中、2万人の女性ランナーたちが名古屋の街へ飛び出していきました。
色とりどりのランニングウェアに身を包んだ女性ランナーが駆け抜けていく姿は、すごく綺麗でした。やっぱり走っている人たちを見ると、走りたくなるのはランナーの性でしょうか。
エリートランナーたちの名古屋ウィメンズマラソン
エリートランナーたちによるリオデジャネイロオリンピック選考会は本当に熱いレースでした。近年の選考会レースは30kmまでペースメーカーが引っ張るレースが多いのですが、30km地点では既に人数が絞られていてレースの駆け引きという点では薄いと思っていたのですが、今回は30km地点ではまだ多くの有力選手が多くいて、誰が勝ってもおかしくないという状況でした。
結果は30km以降一気にペースをあげたキルア選手(バーレーン)を果敢に追いかけた田中選手(第一生命)とそれを単独追いかけた小原選手(てんまや)がラスト5kmを並走し、ゴールの名古屋ドームまで日本人トップ争い(2位争い)を繰り広げた結果、1秒差で田中選手に軍配が上がり、二人の選手の明暗を分けました。
トップ争いをした田中さん、小原さんの2人は去年の世界陸上選考で悔しい思いをした2人です。2人共に「オリンピックに行きたい」という強い思いがヒシヒシと伝わってきました。
よくレポーターの方などは選手に「4年後…」という言葉で何気ないインタビューをしますが、毎日を限界まで追い込んで日々魂を削るように生きている選手にとって、4年という歳月は長く、私自身は北京オリンピックの選考会でダメだった時は正直「4年後に!」という気持ちにはなれませんでした。
気持ちはあっても現実問題、年齢の問題や、身体がもつかなどたくさんの不安もあります。だからこそ「もう次はない!」という覚悟でのぞんでいたのだと思います。だからどちらにも勝ってもらいたいと思いながら見ていました。オリンピック選考会にふさわしい、本当にかっこいい名勝負でした。
私と同い年の野口みずきさん
その中で、私と同い年の37歳でアテネオリンピック女子マラソン金メダリストの野口みずきさんの走りには見ている私自身の気持ちが入ってしまいます。途中から走る姿を見ていて涙が溢れてきました。テレビのスタッフにメイクをしてもらったのに涙が止まりませんでした。あまり感情を表に出さない私だと思っていたのですが、最近は本当に涙もろくなりました・・・。
上山アナの名古屋ウィメンズマラソン
35km地点
私が出演したテレビ番組はエリートランナーたちが走りきった後の午後からが本番です。上山アナの35km地点通過の応援をするために移動します。「女性強し」なのか、35km地点で歩いているランナーはほとんどいません。
私が指導をさせていただいていたラン☆ガールメンバーなど知り合いを何人か見つけては少し応援をすることもできました。
上山アナが35km地点に到達し、同じく東海テレビの恒川アナと迎え入れ、上山アナからコメントをもらいます。本人は辛かったと思いますが、笑顔で元気に対応する姿を見て、女子アナのプロ根性を見たように思います。同時に「これは最後までいける!」と確信しました。
テレビの企画としてマラソンを走るのも追いかけるのもは本当に大変です。上山アナのゴールへ間に合うよう、急いで車で移動しましたが、交通規制がかかっている上に渋滞で、ゴールに間に合いません。上山アナをゴール後に名古屋ドームの会場で出迎えることになりました。
私はドームの2階席にある特設会場での番組出演は初めてでしたが、1部(エリートたちを中心に放送)とは異なり、2部(一般ランナーを中心に放送)の方はとても和やかに進行していました。小田島アナの私へのツッコミが鋭く、収録前はもっと緊張するかと思いましたが、とにかく楽しんで参加することができました。何よりも、上山アナが目標タイムを大きく上回って無事に戻ってきてくれたことが嬉しかったです。
一人ひとりにとってのマラソン
マラソンというスポーツは、走る一人ひとりにとって意味が違います。オリンピックの出場権を勝ち取ろうとする人、4年後を見据えた挑戦をする人、自己の限界に挑む人、夢の舞台を楽しむ人、自分に自信をつけたい人。一人ひとりに物語があります。今日、名古屋の街を駆け抜ける女性ランナーたちを見て、私にもまだまだ物語があると思わせてもらうことができました。これからも自分の可能性を信じてこれからも頑張っていきます!