2020月01年15日
こんにちは、加納由理です。
暦の上では秋。
朝晩は少しひんやりする日も多くなってきましたね。
そんな中、陸上界では2週間前の全日本インカレで日本人史上初9秒台スプリンターとなった、桐生祥秀選手の話題が尽きないところですが、その桐生選手に続き嬉しいニュースがありました。
それは、先日、大阪で開催されました「全日本実業団陸上選手権」の100mで、山縣亮太選手が10秒00の日本歴代2位の記録を出して優勝したことです。
桐生選手と山縣選手は6月の日本選手権で結果を残せず、8月のロンドン世界陸上選手権の個人種目の代表になれず、悔しい思いをした2人なのです。
私も現役時代、2008年の北京オリンピック選考会となった大阪国際女子マラソンで、足底筋膜炎というアクシデントで途中棄権し、失意のどん底にまで落ちてしまったことがありました。
「レース途中で辞めるなんて、何てことをしてしまったのか。」
「もう、誰にも会いたくない。」
と思うまで、気持ちが落ち込みました。
しかし、選手がこの状況から脱出するには、次に自分が結果を出せることを信じ、前向きに取り組むしかないのです。
ですから、6月の日本選手権で不調だった、桐生選手と山縣選手が秋シーズンにしっかり結果を出してきたこと、嬉しく思いました。
陸上競技の花形種目と言われる100mにおいて、9秒台スプリンターとなった桐生選手に続き、先日、10秒00をマークした山縣選手。
そして、ロンドン世界選手権のリレー銅メダルメンバーの多田選手、サムエル・ハキーム選手など若手選手も負けじと続いてきそうで、益々楽しみになってきましたね。
さて、皆さんもニュースをみていて、「なぜ、桐生選手が達成した途端に他の選手も成績が伸びて来たのか」と言う点について疑問に思いませんか?
私自身も、現役時代に同じような経験をしたことがありました。
そこで、今回のブログは「男子100mの好タイム続出。なぜ、人の成功は連鎖していくのか」と題し、私が自ら現役時代に経験した話をさせていただきたいと思います。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
成功するには、まず、経験者の近くにいること
人は誰でも、人生の中でやったことがないことに挑戦する機会が、何度も訪れるものです。
例えば、初めてフルマラソンに挑戦するとか、初めて海外旅行するなどもそうですよね。
自分がこれまでやったことのないことに挑戦することは、緊張したり不安だったりしますよね。
私も、初めてマラソンに挑戦すると決めた時は、気持ちが不安だらけでした。
しかし、レース当日はほとんど不安な気持ちがなくなっていたのです。
それは、当時所属していた資生堂のチームメンバーの嶋原清子さんがドーハアジア大会で銀メダル、尾崎朱美さんが東京国際女子マラソンで2位に入るなど、マラソンで好成績を連発していたからです。
私の初マラソンは、28歳の時の2007年の大阪国際女子マラソンです。
当時の資生堂チームは、選手同士の仲は良く、個性は強いのですが、お互いに尊敬し、応援し合うような雰囲気ができていました。
そしてチームの中では、レースが近い人の練習をサポートしていく流れができていました。
レースに使う給水ボトル。仲間の一言メッセージは、苦しい時の励みになる。
私も、レースを控えている嶋原さんや尾崎さんの練習を一緒に走らせていただくことも多くありました。
私は、まだフルマラソンが未経験だったため、初挑戦することに不安でしたが、間近で嶋原さんと尾崎さんがレースで結果を残してくださったことによって、私も走れるというイメージが湧いてきたのです。
人の成功で、自分も出来るというイメージが作られる
ここで私が伝えたいのは、自分の中での成功体験が無くて、出来るというイメージができなくても、自分の身近な人が成功したことによって、成功は連鎖するということです。
当時の私は、初マラソンで2時間23〜24分台で走るという、明確な目標がありました。
表向きでは強気な発言をしている割には、不安な気持ちもあったのです。
それは、これまで1回も40km以上走ってない上に、合宿先が大雪になってしまったため、計画していた練習ができなかったからです。
30kmまでの練習しかしていなかったため、内心「42.195km持つかな?」といったような不安はありました。
しかし、先輩達の成功例があったことで、レース前は「何とかなるだろう」という気持ちに変わっていました。
初マラソンとなった2007年の大阪国際女子マラソンは、2時間24分27秒(当時、初マラソン日本歴代5位)で3位。
人と同じことをやったことで、その人が絶対にうまくいくとは限りませんが、身近な人の成功体験によって、自分でも出来るというイメージができたり、不安がなくなったりすることがあるということなのです。
初めて挑戦することや記録更新へ向かっていくには、まずイメージづくりが大切だと思います。
これからマラソンや新しいことに挑戦する方は、身近な成功体験者の方に目を向けてみることでイメージが出来ると思いますよ。
まとめ
今回のブログは「男子100mの好タイム続出。なぜ、人の成功は連鎖していくのか」と題し、私の初マラソンの時のことを例えに書かせていただきました。
男子100mの好循環が話題になり、今の短距離界は好選手が揃っています。
私も、いち陸上ファンとして、誰かが更新したら、また誰かが更新するような好循環が起こることを楽しみにしています。
女子マラソンも、日本人選手が2時間30分を切れない時代が続きました。
しかし、1988年1月の大阪国際女子マラソンにおいて、宮原美佐子さんが日本人選手として初めて2時間30分を切る、2時間29分37秒の記録を出しました。
そこから、2時間20分台が当たり前の時代へ突入したのです。
その成功イメージが次へ受け継がれていくことで、好成績が連鎖するのです。
今、日本のマラソン界は世界との差が大きくなってしまい、厳しい状況に置かれていますが、短距離界の好循環に続いていきたいですね。
私は今でも、ランナーとして走っています。
現役時代とは、ランナーとしての立場やレベルは違いますが、実際に今でも、フルマラソンや100kmのレースで走りのイメージが出来るのはこれまでの経験があるからなのです。
今年、6月に初挑戦したサロマ湖ウルトラ100kmマラソンは、これまで経験した距離の倍以上走ることに対して、不安な気持ちがありました。
しかし、初100kmを最後まで走りきれたのは、自分のこれまでの経験と100km走ってきたランナーが笑顔でゴールしている映像をみたことで、私にも出来ると思ったからなのです。
ランナーの笑顔をみたことで、「100kmなんてきつくて脚が痛い思いをするだけ。」と思っていたイメージが変わりました。
<サロマ湖100kmウルトラマラソン関連記事>
サロマ湖100kmウルトラマラソンに初挑戦・優勝して見えてきたこと
私自身、成功へ繋がるポイントは、現役時代は身近な人からの影響が多かったのですが、今は、生活の一部からヒントを得ることも多く、立場や状況やよって変わってきました。
皆さんも、日常生活の中で色んなものに目を向けてみると、成功への色んなヒントがあるかと思いますよ。
これからも、私の経験と日常をかけ合わせたノウハウを皆さんに提供出来るよう、頑張っていきますね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。