2020月01年15日
アクティブレストとは
アクティブレストとは、日本語で積極的休養と訳されます。つまり、疲労回復のために完全休養(運動を一切しない)するのではなく、敢えて積極的に軽い運動をして疲労回復を促すのです。
軽い運動をすることは、血液の流れを良くして疲労物質を流したり、高強度の運動で固くなった筋肉をほぐしたりする効果があります。
レース翌日は、脚が痛かったり、体が重かったりするので、「あまり動きたくないな〜」と安静にして体を休めたいと思うかもしれませんが、ホテルや家を出て、少し体を動かしてみることをオススメします。
加納流アクティブレスト
私はと言うと、正直レース後にどんなに脚が痛くとも、ゴロゴロしていることが苦手なタイプでした。むしろ、せっかくレースが終わったのだから、思い切り息抜きをしたい!という衝動に駆られます。
レース前は、「レースが終わったら、これやろう!」と色んなことを考えていました。頑張った後の「自分にご褒美」にあると頑張れるタイプの人には、レース後の楽しみを存分にイメージしておくのは良いでしょうね。
とは言っても、「翌日から練習再開!」というのはオススメできません。体にはマラソンのダメージが蓄積していますので、まずは1週間は、走らなくても良いくらいのつもりで休むのが良いでしょう。私の現役時代でも、2日間は走らない日を作っていました。例えば、日曜日にレースがある場合、水曜日から軽いジョグを再開して、2週間くらいは強度の高い練習はせずに回復を優先します。
ということで、私、加納由理流のアクティブレストをご紹介します。現役時代にはできなかったけれど、「私が市民ランナーだったらこうしたい!」という視点も入っています。
アクティブレスト1.歩く(観光や買い物など)
基本的には歩くことです。軽い強度の有酸素運動は走ることで、傷ついた体や疲れた体に鞭を打つような感じですが、むしろ歩いた方が脚が軽くなるという感覚は経験したことのある人も多いと思います。
私は、遠方や海外のレースでの翌日には脚を引きずってでも、観光に出かけたり、お土産を買いにショッピングセンターなどに行っていました。ただし、明らかに脚を痛めている人は控えた方が良いでしょう。
アクティブレスト2.温泉やエステにいく
私が、温泉やエステにいくことを「レースが終わったらコレ!」と一番に思っていました。皆さんにとっても、王道ではないでしょうか?地方で行われるマラソン大会の近くには、温泉があることが多かったですし、体はもちろん心も癒されるので最高です。
レース後のために、お気に入りの行ってみたいマッサージや、治療のお店を予約しておくのも良いですね。私はアロママッサージが好きだったので、レース前後に通っていました。
海外には日本と同じ温泉はありませんが、私が訪れた国ではマッサージやエステがありました。「気持ちのリフレッシュ」という意味では、その地ならではのリラクゼーションを経験するのはとても良いですね。
私は中国で合宿をしていた時に、足つぼマッサージによく行っていました。現役の時にレースで行くことは、ほとんどなかったのですが、タイでタイマッサージとか、バリでバリニーズマッサージとか、インドでアーユルベーダとかもやってみたいなと思います。もはやマラソン関係無いですね・・・。
アクティブレスト3.他の軽いスポーツをする
マラソンで力を出し切った人は、気持ち的に「走るのは・・・」、「もう歩くのも嫌・・・」となるかもしれません。そんな時は普段やらない他のスポーツをやってみるのも良いでしょう。
沖縄やハワイなどマリンリゾートであれば、マリンスポーツなんか良いですね。シュノーケリングで、プカプカ水に浮かんでいるのも水圧マッサージの効果もありますし、リラクゼーションになるはずです。
私の友人でダナンマラソン(ベトナムの人気リゾート地)に出た人は、ボロボロになって「もう歩けない〜」と言いながら、SUPやパラセーリング、バナナボートに乗っていました。遊びのモチベーションは底なしですね。
海じゃなくても、湖や川に足をつけているだけでも気持ち良いですし、森林浴をかねてゴルフとまでいかなくともパークゴルフなんかも良いかもですね。私も先日の北海道マラソン後に、一緒に走った職場の仲間たちと釣りとパークゴルフを楽しみました。
アクティブレスト4.美味しいものを食べる
これも言わずもがなですが、美味しいものを食べるのがレース後の鉄板ですね。特に地方に行った時はその土地ならではのものを食べます。
レース前に食事を制限していたりする人は、ここぞとばかりに張り切って食事計画を立てていたりするのではないでしょうか?
ただし、体のことを考えると、レース直後は消化の良いものを選ぶことが大事です。内臓も疲労していますので、脂っこいものや大量のお酒などは体調と相談しながらチョイスしましょう。
レース後は回復にエネルギーが必要なので、食事を制限し過ぎるのはオススメできません。同時に筋肉や血液の素となるタンパク質や、ミネラルも不足しないようにすることも大事なので、良いものを選んでよく噛んで食べることが回復を早めるコツかもしれません。
私は感覚的に、体に良いものを好んで選ぶ習慣がついているので、あまり意識して何を食べる食べないということをしなくても、体の声を聴きならが「甘いものが食べたい」と言っていれば、甘いものも食べましたし、「がっつり肉が食べたい」と言っていれば、がっつり肉を食べました。こういう体の声に普段から耳を傾けているといことも大事ですね。
アクティブレスト5.仲間や家族とワイワイする
レースで負った心身のストレスから、一番開放してくれるのは、疲れを忘れる楽しい時間です。一番は仲間や家族とワイワイ過ごすことではないでしょうか?
一緒に走った仲間であれば、レースの感想を話すこともあるでしょうし、次に出る大会の相談をするのも良いでしょう。疲れを忘れて、リフレッシュできる、気の置けない良い仲間や家族と過ごすのもとてもオススメです。
加納由理が考えるアクティブレストとは
アクティブレストの最大の利点は、疲労回復を促すという肉体的な効果ではなく、次なる目標に向かう鋭気を養う心理的なリフレッシュがあると思います。
家やホテルでじっとしていても、気持ちが滅入ってしまうものです。特にレースで思い通りの結果が出せなかった時などは、気持ちが落ち込みます。そんな時こそ、ちょっと無理してでも外に出て、アクティブに、色んなことをやってみることが大事だと思います。
疲れたから休む(完全休養)ではなく、疲れたからこそ動く(アクティブレスト/積極的休養)ことを心がけて、みなさんのランニングライフをより充実したものにしてください。