2020月01年15日
フルマラソン直後
フルマラソン直後の疲労とダメージ
私の場合はフルマラソン走った直後は筋疲労、エネルギー切れ(グリコーゲンの枯渇)、水分不足(脱水)などで疲労困憊になりますが、レース後の高揚感もありそれを感じないこともあります。レース直後の疲労感と体へのダメージはおそらくイコールではなく、レースの疲労感は少し休んで回復したとしても、42km走ったというダメージは「肉体的」にも「精神的」にもかなりあり、私の場合は翌日の朝からかなり身体が悲鳴をあげていて、時間が経ってくるとだんだん体がだるくなったり、食欲がなくなったり、脱水症状みたいに熱っぽくなったりします。
今回も東京マラソン2016を走った翌日は激しい筋肉痛で始まりました。ゆっくり歩くことはできるけど普段の筋肉痛と違って普通の速さで歩くことができずウォーキングすらまともに出来ない状態で、内臓も翌日になるとすごく疲れていると感じます。体が水分と栄養分を求めているけれど、胃腸が弱って食べ物を受け付けない状態にいつもなっています。
東京マラソンを走って今はジョグができるぐらいまで回復したところで、少しずつギョギングを始めていますが、まだ少し筋肉痛が残っています。
フルマラソンの疲労
マラソンは42.195kmの距離を自分の身体(体重)を移動させる競技です。ですので、42.195kmの間、自分の体重の数倍の荷重が脚にかかり続けます。それにより脚に限らず筋肉が大きく損傷します。また関節や内臓にも大きなダメージがあります。
肉体的な疲労は人によって違いますが、大体2週間ぐらいで抜けると言われていました。しかし、ダメージはレース次第ではもう少し長引きます。とりわけ私の感覚ではマラソンの場合は肉体的の疲労よりも精神的の疲労の方が大きく、長引くように感じていました。
特に現役時代、一本のマラソンレースに対して、何ヶ月もかけて選考レースに勝つために、ずっと集中して取り組んでいる状態が続くため、レースが終わるとレースへの集中から解放されて、疲労が一気に来るっていう感じでした。免疫が低下しているのか気の緩みもあってかレース後に風邪をひくことも良くありました。
暑いレースの場合の疲労
今回の東京マラソンは冬のレースなので疲労を数ヶ月先まで引きずることはないと思うのですが、夏のレースや暑い場所でのレースになると、きちんと心身共にマラソンの疲労抜きをしておかないと2、3ヶ月先になっても体は元気になっているはずなのに、疲労感が残ってずっと本調子にならないということがあります。レース中に脱水症状になった2007年の北海道マラソン後がまさにそんな感じでした。
今回の東京マラソンでは現役時代と比べてペースもレースの走り方も違いますし、2時間40分を切ろうと思っていましたが、現役の時にあった「この大会で自分の目標を達成しなければならない」っていうプレッシャーは無かったですし、プレッシャーを感じるだけの練習もしていなかったので、レースは現役時と比べて気楽に臨めて、肉体的にも、精神的にも現役時代とくらべると遥かに疲労具合は軽いと思います。
マラソン後のケア
お気に入りのケアと息抜きを計画する
レース後にアイシング、後日きつめのマッサージやストレッチをする人が多いと思いますが、私が一番オススメするのは自分が好きなケアをすることです。自分の好きなことをすることが一番疲労が抜けると思いますし、リフレッシュすることで次のレースに向けて頑張ろうと思えるようになります。
私のお気に入りは温泉に入ったり、オイルマッサージをすることです。私が現役の時はレースの一ヶ月ぐらい前から「レースが終わったらこれをやろう」とか「2泊3日でここに行こう」とか楽しみを作っといました。私は楽しむのが苦手でしたが、それでもレース後のつかの間を使って楽しむ時間を作っておくことで精神的な辛さを和らげ、レースに向けて集中することができたように思います。
マラソン後の練習について
完全休養から積極的休養へ
私の場合はレース後2、3日は走らない日を作ります。これは私がかなり普段から走りこんでいるからなので、一般市民ランナーや初めてフルマラソンを走るという方ははもう少し間を空ける方が良いと思います。
ゆっくり走れるぐらいまで筋肉痛が引いたら少しずつ走り始めます。とは言え、積極的休養と呼ばれる疲労回復を促す程度の運動です。ですので最初は30分程度のかなりゆっくりジョギングからです。
体の疲労を抜いていって、体の調子を見ながら少しずつ走る量や質を上げていきます。そして大体2週間ぐらいかけて疲労が抜け切ったなって感じ、心も体もリフレッシュできたなと感じたら、通常の練習を徐々に入れ始めます。
休める時にしっかりと休む
特に現役の時は長い時間かけてマラソンの準備をしており、レース前の長い期間緊張していたので、マラソンを走った後気持ちをリフレッシュしないと次のレースに対する気持ちが湧いてきませんでした。マラソン後に気持ちを開放する時間を多く取っていました。私はリフレッシュが得意なタイプではなかったので、マラソン後に気持ちの開放をしっかり取らなかった時は次のレースに対しての気持ちがなかなか湧いてこず辛かったのを覚えています。
また通常の練習に戻していく時の注意としては、いきなりきつい練習(インターバル走やタイムトライアルなど追い込む練習)をしないことです。マラソンは一本走った時のダメージがやっぱり大きくて、その時は大丈夫と思っても、インターバル走のようなきつい練習をいきなりすると、急に体が拒否反応をするような変な疲労感が出たり、足が痛くなったりすることがあります。
エリートランナーはしっかり休めるのはレース後しか基本的にはないと思うんで、レース後にしっかり休むことが大事でした。市民ランナーの方でも毎週レースに参戦するような方は蓄積した疲労(精神的には走れるのに、体はどんどん思うどおりに動かなくなる感覚)で調子を崩さないように意図的に積極的に休むことを取り入れてみてください。
マラソン後の食事
マラソン後の食事を楽しむ
レース前の食事は
東京マラソン1週間前に知っておくべき4つのこと[加納流マラソン調整]にも書きましたが、レース前の管理する食事とは異なり、レース後は特に食事に気をつけることはしていませんでした。レース後に美味しいものを食べたり、お目当てのお店に行って食事をするのも、心身リフレッシュさせる上で重要なことだと思います。ただし、マラソンを走った後はしばらくは内臓が疲れているので、内臓(胃腸)への負担を考え、消化の良いものを食べること、バランスの良い食事をオススメします。
一流女子アスリートのレース後の食事
女子マラソン選手はレース前に減量をしており、人によっては体脂肪率が10%を切るほど絞り込んでいるため、生理が止まることもあります(長期間続くとホルモンバランスが崩れて、骨がもろくなったり、貧血になったりしやすい)。なので、意図的にたくさん食べて一度激しいトレーニングに備えて増量しようとする期間でもあります。
最後に
今回の記事はあくまで私の経験則からくるものなので、基本の走力、レース前のトレーニング内容、レース内容、タイム(そもそもの運動時間)でも大きく異なると思います。是非、自分の体の声を聞きながら、自身にあった疲労抜きの方法を見つけてみてください。