2019月05年27日
こんにちは!加納由理です。
今回は、久々のオリジナル記事になります。
現役時代幸いにも私は強いランナーという印象を与えることができていたと思います。
多分。笑
「速いランナー」よりも「強いランナー」と見られたいなと思っていたので、こういった評価はとてもありがたかったのですが、それでも私は昔からそういった人間だったわけではありません。
むしろかなりメンタルのコントロールが苦手で、「強いランナー」とは程遠い選手でした。
そんな私が「強いランナー」と言ってもらえるようになったのには、様々なターニングポイントがありました。
そういったターニングポイントは今でもはっきり思い出せるエピソードですが、今の私の思考に大きな影響を与えてくれています。
そこで今回は、そういった私が経験した出来事を引き会いにしながら「加納流メンタルコントロール術」と称してお伝えしていこうと思っています。
ネガティブ思考になりやすい方や自分の殻を破れずに苦労している方など、マラソンだけにとどまらず何かしらのヒントになってくれたら嬉しいですね。
どうぞよろしくお願いします。
1.辛い時こそ成長のチャンス
不器用で視野が狭かった現役時代。
勝負の世界で負けず嫌いなことやこだわりが強いことはとても大切だと思っていますが、時にそれに苦しめられて自分を見失ってしまうアスリートも少なくありません。
私もそうでした。
私はレースも練習もとにかく全力でこなすタイプで、自分にも他人にも負けることがとにかく嫌いでした。
幸い身体が丈夫だったので、ハードな練習にも耐えりことができたのですが、20代後半になるとちらほらと強い痛みに襲われるようになり、思った通りに走れないレースも出てきました。
そんな私にとっての大きなターニングポイントになったのが2008年の大阪国際マラソン。北京オリンピックの選考レースであり、大事な目標レースでした。
ターニングポイントというと、「優勝した」とか「自己ベストが出た」というように結果が良い時のことをイメージするかもしれませんが、実は真逆。
このレースで私は初めてレースを途中でやめるという経験をしました。
その時の想いを綴ったブログがこちら→2008年大阪国際女子マラソン(2008年北京五輪選考会)回顧録
当時の私にとって、レースを途中棄権するということは屈辱的でとてもショックな出来事でしかありませんでした。
悔しくて悔しくてその場から消えてしまいたいような感情に襲われたのは今でもよく覚えています。
ブログ記事の方でも書いていますが、実はその当時足底筋膜炎に悩まされており、そもそもスタートする前から走りきれるかどうかギリギりの状態でレースに臨んでいました。
思考が停止しているときは、そういう客観的な事実からも目を背けようとしてしまいがちです。
私もまさにそんな状態で、もし自分一人だったらその大阪国際マラソンをきっかけに引退してしまっていたかもしれません。
ところが、そのレースの夜に思いがけず40日後の名古屋国際マラソンへの出走を監督から提案され、頭に血が上っていた状態から一気に冷静になり、自分を振り返ることができるようになりました。
不器用だった自分にとって思考を変えることはとても大変なことです。
でも苦手だったからこそ、同じようにメンタルのコントロールに苦しんでいる人の気持ちがよく分かると思ってます。
私の場合は「レースの途中棄権」がきっかけになりましたが、思考が変わる瞬間は人それぞれにきっとあって、その瞬間を逃さないことが本当に大事です。
できない自分やダメな自分を受け入れることはとてもしんどいことですが、それを認める勇気をちょっと持てば、自分が大きく成長し、これまでできなかったことができるようになったりします。
ちなみに私は、怪我が治っていない状況にも関わらず、フルマラソンを途中棄権した40日後にオリンピック選考会に出直すという無謀な挑戦をきめました。
目先のことに縛られるのではなく、先を見据えて、しっかりターゲットを絞り、目標設定をするというところにたどり着いたおかげで、なんと40日で驚くほど回復。
結果的にオリンピックの切符を掴むことはできませんでしたが、自分に向き合って挑戦したレースは途中棄権した大阪国際女子マラソンとは違った意味で思い出深いレースになっています。
その当時の想いはこちらの記事に綴っているのでご覧ください→2008年名古屋国際女子マラソン(北京五輪選考会)レース回顧録
2.不安なときこそ「楽しむこと」に変えてしまう
みなさんはどんな時に不安を感じますか?
レース前だったり、仕事の大事な商談前だったり、不安に陥る場面は必ずあると思いますし、不安が一つもないという人はいないでしょう。
私は現役を引退してから様々なことにチャレンジしました。
陸上漬けだった人生が一変し、ビジネスの世界に踏み込んだのでそれこそ不安だらけ!いや、不安しかなかったかな。(苦笑)
指導者として第二の陸上人生を歩む選手、所属チームの企業に残って働く選手など様々ですが、私の場合は現役時代に自分がいた世界とは180度違う世界に飛び込みとにかくがむしゃらに色なことにチャレンジしました。
ビジネスコンテスト、企業の健康経営、公式ホームページの作成など、自分で自分を売り込む作業は不慣れで、仲間からたくさん助けてもらいながら、少しずつやれることを増やしていけた気がしています。
そんな時、私が今所属する会社の代表である成瀬さんが世界マスターズに出ると急に言いだしました。
忙しい経営者にも関わらず、仕事の合間を縫って必死に練習。成瀬さんは世界マスターズにとどまらず、その後東京マラソンで福岡国際の標準タイムを切るまでに至りました。
この詳細については、本人のnoteをご覧ください→東京マラソン2017を2時間34分で走った話
現役を退いてからビジネスの中で新しいチャレンジをたくさんしてきましたが、そんな成瀬さんの姿をみて、改めて走ることへの情熱が再燃。
よし、私も走ることにおいて新しいチャレンジをしてみようと思って2017年にサロマ湖ウルトラマラソンに出ることにしました。
現役を引退して3年。
練習量はもちろんガクッと減っていますし、現役当時のようなモチベーションを作るのは大変だろうなと思っていましたが、思考の切り替えができるようになっていた自分に驚きました。
現役時代のように結果を出すことを会社に求められているわけではありません。
あくまで自分の意志でレースへの出走を決めて、自分のために走る。
当たり前のことですが、立場が変わって走ることを違う視点で考えられるようになってから思考は良い意味でガラッと変わりました。
現役時代は練習できていないと不安になっていましたが、そのときはとにかく楽しむことを大切にしようという発想のみ。
100kmという距離にチャレンジすることも、現役引退後のブランクも全て楽しもうと思っていました。
そして、昔の自分と比べることもせず、純粋に挑戦すること。走ることでこんな新鮮な気持ちになれるんだなと改めて感じながら走っていました。
初めてのウルトラマラソンで初優勝。いやぁ、きつかったぁ(笑)でも、不安を楽しみに変えたおかげで、最後まで自分らしくいられたと思っています。
この感覚がやっぱり好きですね。
実は今年、もう一度ウルトラマラソンに挑戦しようと思っています。
今度はさらに挑戦のハードルを上げて世界選手権に出て世界一を狙おうという挑戦です。
無謀に聞こえるかもしれませんが、挑戦することに意味を感じ、そしてそれも楽しもうと思っています。
これに関してはまた詳細をお伝えしますね。
最後に
今回は、「思考の切り替えが成功のコツ『加納流メンタルコントロール』のススメ」というタイトルで記事を書かせていただきました。
1つ目は、「思考のパターン」を変えるという話。
2つ目は、「不安なときこそ楽しむこと」という話。
私自身、その当時のことを思い出しながらこの文章を書かせていただきましたが、あの時はこの状況をどう乗り越えようかと必死になっていたなと。
もう少し、力抜いてって、当時の自分には言いたくなってしまいますね。
それだけ、競技に夢中になっていたという証拠なのですが。
「辛さ」や「不安」っていうものは、マラソンに限らず、ビジネスでも初めて人前でプレゼンしたり、企画したことを初めて誰かにお披露目する時でもつきものだと思います。
しかし、この解決策は自分で経験して、自分で気づくしかないのだなということです。
マラソンの経験を元に書かせていただきましたが、ここでの記事がマラソン以外でもお役に立てると幸いです。
最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。